香水とデリカシー
「男ウケしそうな香り…」
これはどの男を指してるの?全男?奴は含まれる?
そういえばこの間、全人類モテの香りとかいうのをつけていったら「うわ、くっさ」とあいつに言われてしまった。
『もしかしてあいつは人類でもない…?』
そう思いつつ、男ウケを謳う香水を手に取り、レジへと進む。
今度こそと思いつつ、この間手にした男ウケ香水を身につける。これでダメなら奴は、人でも男でもない。
「なあ、お前今日風呂入ってきた?」
それは、褒めてる?褒めてないな?
「それ臭いってこと?本当にデリカシーがないね。」
今のといい、「うわ、くっさ」といい、デリカシーがなさすぎる。「いい匂いだね」とかなんかこう女子っぽい言葉をかけられたいだけなのに。
「いや、違う!あの、この間の匂いより好き、だなって…恥ずかしい、やめやめ。この話はなし!」
ん?今、なんて言った?この間の匂いより好き?これは、これは私の求めてた答えじゃないの?8割位求めてた答えだよ!やった、これで友達から一歩進展した気がする。気だけ。多分、
「あと、あの、あれだ。そんな匂いさせなくても、お前は充分、いい、と思う。」
…………ん?まって!?これは、これは脈ありということだろうか、そう思っていいかな。
「えっと、まあ、そういうことだから。講義始まるし、またな。」
神様、これは期待してもいいですか?
この講義が終わったら、今度の休みにデートの約束を取り付けよう。