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はじめるために終わりの方へ~劇団プレステージ第14回本公演"終わりtoはじまり"

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12/18 (火)14時公演

劇団プレステージ第14回本公演"終わりtoはじまり"

 

 

 

 

 

はじめての生本公演、かつはじめてのCBGK!

事前情報、ネタバレをほぼ踏まないようにして観に行きました。

 

 

◎あらすじ

クリスマスイブ。
街は、幸せな雰囲気に包まれていた。
そんな中、永橋、土門、美羽、真壁、小原の5人は無理矢理バイトのシフトに入らされ、辟易としていた。
バイトに行くまでの時間、彼らはクリスマスイブを満喫しようと遊びに出掛けた。
遊んでいる最中に、永橋は言った。

 

 

「これ夢でみた」

 

 

永橋の見た夢が、目の前で現実になって行く。
その現実を目の当たりにした5人は言う。

 

 

「ウソだろ?」

 

 

永橋の見た夢の先にあるものは、『終わりtoはじまり』だった。

 

 

 

 

終演後の私、

「泣きすぎて頭が痛い。」

 

 

 

 

 

 

 

※以下、ネタバレ。

(セリフとかはほぼニュアンス。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

平均的に上手いなあ…と思う。そんなにお芝居観てるかと言ったら観てないけど、思う。

端的に言うと、クリスマスイブに日に隕石が落ちてきて…という生死の絡む話でした。

会話の中に、言動に、全てに伏線のある脚本。色んな設定、シーン、物語、全てを詰め込んで詰め込んで生まれた感じ。

 

今回は個々の抱えたもの、一人一人の人生を感じる舞台だったなあ…。

 

 

舞台は千葉の隅っこ。成田線千葉行き。

夢を持ったアルバイター5人、ピリついてるサラリーマン、スーツを着た挙動のおかしな人、老夫婦、女子高生、ニッカポッカのお兄さん、サンタみたいなホームレス(?)の人、車掌さん、フリーのライター。普通に見えて普通の人がいない。

永橋くん(長尾卓也さん)の夢のシーンから始まる。お父さんが去っていく夢。永橋くんがどうやら幼い時の話。ハッとして起きる永橋くん。この夢を見ると大体良くないことが起きるらしい。

長尾さん、お芝居が自然。普通の人の役が多分この劇団の中で一番うまいのでは?と思った。

 

 

クリスマスイブにアルバイトの同僚5人(永橋・土門・真壁・小原・美羽)でボーリング。このたわいない話に伏線が盛り込まれていたりする。

土門さん(株元英彰さん)の「朝起きて、今日の朝飯何にしよう?って考えただけで楽しいって思える」が最高だった。株元さんがそれ思ってるならかわいすぎるな〜。

それに対して真壁くんが「小学生みたい」って言うのもわかる。土門さん、ボーリングのシーンまでは言動が小学生だった。

 

 

真壁くん(城築創さん)は劇団で脚本・演出をやっている人。

「脚本書かないで演出やってるやつは女優抱きたいだけ」とか、演劇じゃ食えない等のセリフや「(演劇やってる側の意見として)やりがい搾取ですよ〜!」と言ったり、かなり生々しかった。演劇じゃ食えない系のセリフは流石にリアル。城築さんが言うのが妙にリアル。

土門さん、真壁くんのこと「二足歩行のカバ」「ホビット」とか呼ぶんですけど、日常でもやってそう。「二足歩行のカバ」って言われて「イソジンのキャラじゃないですよ」って返してて座布団一枚。

(リアルの話、株元さんは度々城築さんの彼女みたいなツイートをするので本当に…ねぇ…やってそう…株元さんは城築さんのこと好き好きよく言ってる…愛かな…)

 

 

そして、ボーリング場の会話劇のリアルさ。特に、38歳女性アイドル志望の美羽ちゃん(大村まなるさん)。ボーリングのシーンの「頑張れ〜!」「すご〜い!」等々のセリフの入りがナチュラル。こういう掛け声するよね、それに、こういう座り方するよね等ナチュラルに女性だった。やはりこの劇団のヒロインは大村さんなのかもしれない。

美羽ちゃん、「大きいボンド、大木凡人!」とかギャグが古いのも推せる。永橋くんと2人きりになった時、スッと真面目なこというのずるい。

 

 

明日死ぬなら何するかという話題。

美羽ちゃんが「つんくに会いに行く」、土門さんが「ライブする」、小原くんが「辞世の句を詠む」なのも、みんなみんな好きなことを真っ直ぐにしてる人だから言えるんだよね。ごめん、真壁くんが何したいか忘れてしまった。

 

 

 

バイトに向かうために乗り込んだ電車。

永橋くんが夢で見た通りの乗客。

スーツを着た人2人、老夫婦、女子高生、サンタ。

ここから物語が展開していく。

 

 

 

偶然乗り合わせた自分の恩師が偶然乗り合わせた女子高生と付き合ってて淫行で捕まって教師やめざるおえなくなって、女子高生は恩師との赤ちゃんがお腹の中にいるって、有り得なくはないけど奇跡じゃ…?ただ、やっぱり永橋くんの予知夢通りだからこそ起き得たことなのかな…。

 

アルバイターの小原くん(小池惟紀さん)が下ぴーこと恩師の下田先生(園田玲欧奈さん)を追いかけるシーンで通る側の通路近くにいたんですけど、園田さん迫力ありすぎる。刃物持ってあの身長の人が来るのめちゃ怖いわ。やられると思った。

下田先生が完全におかしくなって刃物振り回して他の車両の乗客追い回すんですよ。でも、下田先生、小原くん永橋くんの回想で登場するんですけど、すごいいい先生なんですよね…。刃物とか振り回してるの信じられないくらい。愛は人をおかしくさせる。

刃物振り回す前に、下田先生に声かけられて、まいちゃんは「人のせいにしたいだけでしょ」的なことを言うのが後々響いてくる。

下田先生がトンネルの崩落で亡くなってしまった後に、小原くんが「お腹の中に下ぴーの子がいることなんで言わなかった?」とまいちゃんを問い詰めるシーン。まいちゃんが「親に、もう会うなって言われたから…」と答えるんだけど、でも、まいちゃんは下田先生を愛していて誰に止められても下田先生のところに行くつもりだったと告げる。まいちゃんも誰かのせいにしなきゃ生きられなかったのかもしれない。ここでまたセリフの伏線回収じゃんと思って熱くなった。

 

 

乗客の安全の為に駅の方は避難させた車掌さん(風間由次郎さん)が、刃物振り回してる人とかいるしもうわけわかんなくなって「あぁ!これモニタリング!?」と。わかる。ただ、モニタリングにしては物騒。風間由次郎さん、本当になんでもうまいんですけど車掌さんまでできるの…?

避難させたはずなのに、トンネルの崩落で乗客全員が亡くなってしまう。それをサラリーマンに「お前のせいだ」と責められる。「私のせいじゃない」と言うのは、この状況では正しい。隕石が落ちてきて、刃物振り回してる人がいて、もうこの非日常で彼がとった行動は責められないでしょ…。

永橋くんも「僕のせいだ!こんな夢(隕石が落ちてきてみんなが積み重なって倒れている夢)を見たから!」って自分のせいだと言うけど、そんなんじゃないよ…。永橋くんはどこまでも人のせいにしない。自分のせいと言い続ける人だった。

 

 

フリーのライター(原田新平さん)が、すごいよかったな〜。みんなよかったけど、新平さんにピタッとはまっていた感じ。新平さん、シリアスなお芝居の方がいいのかも。

隕石が落ちてきてもカメラを回して記録し続けて「普段と同じことをしていないと不安になる」と言うところで、「あー、この人たち、私たちと一緒なんだ。さっきまでは普通の人たちだったんだ」と頭を整理するきっかけのワードだった。

 

 

サラリーマン(向野章太郎さん)、最初すごい嫌な奴なの。おま、お前なに!?みたいな。電車に乗り込んできたサンタみたいな格好したホームレスのおじさん(坂田直貴さん)に「臭いんだよ」っていうところもまあアレだけど、消臭スプレー取り出してかけながら必要に追い回したり、女子高生まいちゃんのイヤホンぶん投げたり、本当にこういうおじさんいる。

でもさ〜どうしても今日家族とやり直したくて、ケーキ買って早く帰ろうとしてた矢先の話を知るとつらい。

最後にやっぱり家族に会いに行こうとして、ケーキ持って「さっきはごめんな。元気な子産めよ」って外に出て行くんですよ。あぁ、家族に会えてるといいな。

 

 

老夫婦(のおじいさん)役の秀光さんの飛び蹴りが美しくて最高だった。高さもあり水平さもあり満点。夏の本公演で「タバコォ…」しかセリフがなかったそうなので不安だったけど、すごい今回いい役だったな…。

「今、生きてる」というような一連のセリフが力強くて、説得力があった。「後悔するのが早すぎる」に、私は痛く胸を打たれました…。

一連のセリフからの流れで、活を入れるようにサラリーマン役の向野さんの背中を叩くんですがまあまあいい音がした後に、向野さんが「痛い…」って言ってて「これアドリブ?セリフ?」。ナチュラルすぎる。

 

 

美羽ちゃんがまいちゃんの出産シーンで「アンタのこと全力で守ってあげる!」と言ったときに涙が止まらなくなった。自分より新しい命のために自分の命をかけた美羽ちゃん、絶対に幸せになってくれないと嫌だ。

まいちゃんの出産の時に流れで、美羽ちゃんファンのニッカポッカくん(岩田玲さん)が「結婚してください!」って美羽ちゃんに告白するんですよ。みうちゃんは「そんな大事な事、今言う!?」って問いかけるけど、絶対今ここで言わないと後悔するじゃん。死ぬかもしれないんだから。

ニッカポッカくんに「美羽さんのファンです!」って言われた時、「つんくに会う前にファンに会っちゃった!」って言ってたのかわいい〜!

ボウリング場で美羽ちゃんが見た夢の話で「子ども産んで育ててた!」って話してたけど、これもある意味予知夢だよなあ…。

 

 

サンタみたいな格好したホームレスのおじさんが実は永橋くんのお父さん。永橋くんはお父さんに会ったことで、多分きっとまた過去に囚われてしまうと私は思った。毎年、誕生日にサンタを名乗って手紙を置いて行っていたのはお父さん。人のせいにするなってフレーズはここでも使われていて、この作品の1つのキーワードだったのかもしれない。

 

 

高頭祐樹さん、めちゃくちゃ身長高いのにまたおばあさんの役だったんですけど…。「東洋の魔女的な?」と言われていてありえなくないかも。しかし、高頭さんはおばあさんとかお母さんとか上手いな。普段の感じは1人パリコレみたいなのに。

 

 

太田将煕くん、女性の仕草を研究したそうで力むシーンもうまい。まいちゃんが力みながら「産みたくない!」って叫ぶのは、先生のことが嫌いだからじゃないことちゃんと伝わってるからね…。

 

 

 

 

そしてラスト、

まいちゃんと赤ちゃんに覆いかぶさるようにして倒れるみんな。

赤ちゃんの泣き声。

しばらくして微かに動くまいちゃん。

絞り出すような「ありがとう」

 

 

 

このシーンが、終わりtoはじまりだったんだなと思える。終わりに向かった先にあったのは、新しい命だけ。

 

よくある話が詰まったよくよく考えたらよくはない話。

 

 

 

観劇後にTwitterでこんなこと言ってた。

 

 

もう一回行きたいな〜。

正直、劇団プレステージのイメージは歌って踊るエンタメ劇団って感じだったんですよね…。

今回、こんなに鬼気迫る生死、一人一人の人生にフォーカスしたお芝居なんて、もう圧倒されてしまった。

 

 

そして、Twitterでも書いたけど、この劇団の舞台は誰一人としてムカつく人間が出てこない。いや、ムカつくんですよ、最初は。今回特にサラリーマンが「うわ、こういう嫌〜なおっさんいる」と思ったし、ちょっと向野さんそのものが嫌な人に見えてくるくらいムカついた。でも、そのサラリーマンがどうしてこんなにムカついてるのか、家に帰りたいのかがわかるにつれて嫌いじゃなくなっていく。Have a good time?も、「うわ〜、おま、お前最低か!?」と思ったりしたんですが、最終的にみんなのこと責任持って愛すよ〜!最高!みたいな気持ちになれて、みんな好きになってしまう。これが、この劇団の舞台が好きだなと思える最大のポイントかもしれない。

 

 

 

お芝居の中で、人のせいとか自分のせいとかそういう誰かのせいにする・しないが頻繁に出てきたな〜。脚本演出の今井さんは終わりとはじまり以外の頻出ワードをどういうつもりで話に盛り込んでいたんだろう。何についての問題提起なんだろう。

 

開演前諸注意を劇団員で行うのですが、今回は高頭さん秀光さんの老夫婦コンビ。通訳高頭さん、来日したスター秀光さん(金髪、サングラス着用)で諸注意。

高頭さんが淡々と通訳してる風に諸注意を述べていき、秀光さんは英語っぽく喋る。

PPAPっぽく「ハンサム、ハンサム、うぅん、吉沢亮!」と言ったとき会場が沸いた。流石、アミューズ。「べっぴんさん、べっぴんさん、ひと席空いて、マーメイド!アーユーリトルマーメイド?」からのアンダーザシー(ミュージカルリトルマーメイドの魚の装置をうごかすまねをしながら)等、ネタの大渋滞。

確か夏の本公演の時に、「ここ(諸注意)にかけてた」と仰っていたので「またここ頑張ってるってことはセリフが一言…?」と焦る私。今回はそんなことなかったけど。

 

 

 

ただ楽しいだけでは終わらない劇団プレステージ、本当に最高でした。

赤字が出たら即解散!

らしいので、これからも応援します。次は企画公演かな?本公演かな?どっちだろう。とにかく、2018年の終わりに新しい劇団のはじまりを見せてくださってありがとうございました!次の公演も楽しみにしています!

 

 

 

 

 

それでは、また!ごきげんよう