流行の最先端を疑われる話(前編)
人生で初めて保健所に連絡した。
「まずはかかりつけ医を受診してください」
と伝えられる。
かかりつけ医に連絡をする。
看護師さんに今までの経過を話し、今の症状を話す。
「これだと電話での診察になります。また折り返しますね」と伝えられる。
先生から電話がくる。
「発症から2週間の経過が大事なんだけど、どうだった?」正直に話した。
先生は「コロナが疑わしいですね。保健所に連絡して検査をしましょう」と言う。
また保健所に連絡。
いろいろ聞かれた挙句に「個別の対応は行ってません。かかりつけ医から電話してもらってください」と言われた。
もう一度、かかりつけ医に連絡。
事情を話すと「そうなんですね。私から連絡しますから!また折り返しますね」とすんなり。
保健所とお医者さんの間での連携が取れてないのをひしひしと感じた。
うとうとする。鼓動が早い。呼吸の仕方が分からなくなりそう。身体がビクつく。こわい。
保健所から折り返し電話がかかってくる。
担当者が名乗ったあと開口一番、
「接触者外来を受信していただきます」
だって。風邪じゃないんだやっぱり。
いろいろ聞かれた。パーソナルなこと聞かれちゃうけど咄嗟に出てこないよね〜みたいな。
職場の所在地を聞かれて、答えたら「はあ…」って言われた。なんかわかんないけど、ごめん。
そういえば接触者って言うけど、一体誰との接触者なんだろうかと思う。もうここまで来たら誰と接触者とかわからなくない?名前変えたほうがいいと思うよ。
わかってるけど保健所も手一杯。このあと一度電話が来たけど、出た瞬間に切れた。
人生で初めて泣きながら「国に殺される…」って話した。今何時代?本当に令和?
なんかもうこわい。生死と隣り合わせ。
人のこと気にしまくってたら、私が具合悪くなってるじゃん。
この件で、親に謝られるのもめちゃくちゃ嫌だった。
「なになに〜?お母さんは何にも悪いことしてないよー」って思った。事実、何にも悪くないからね。「一生口聞かないわ!」とか喧嘩したお父さんのことも好きだし、何度喧嘩しても、アイドルの趣味合わなくてもお母さんのことめちゃくちゃめちゃくちゃ好き。だから、私はどんなに距離取ってても、隔離してても、うつってたら嫌だなって、そっちの方が心配なんだよね。
生死について考えたらなんか色々どうでも良くなってきた。もっと自由に、好きなことしよう。