キミとトーキョー
東京の片隅で腐っていく君に、早く会いたい。
ネオンに呑み込まれちゃったんだね。何も言わないのは狡いけど。でも、それでいい。
他人からの言葉も、伝聞もいらない。
君がそこにいるだけで充分だから。
だけど、
「どこにいるの?」
「どこにもいかないで。」
今は君を縛り付ける言葉しか出てこない。
悪夢は醒めなくて、毎日毎日死を見つめながら喧騒に身を潜める。
悪意に満ちたスマートフォンを握りしめて、ゆらゆらと漂うだけ。
毎日を大切に生きようとする君に、背を向けるように日々をゴミ箱に捨てていく。
どうやって生きていたっけ、どうやって息をしていたっけ。
君と出会った日のこと、君と過ごした日のこと、どこにいても、どこに行っても、思い出が転がっている。思い出を踏みしめて、踏み躙った。
あの大画面、3面。君が憧れたPVじゃない、君がいたはずのPV。受け入れられなかった、受け入れるしかなかった、思い出してしまった。
もうどこにもいけない。
さよなら、トーキョー。
君のいた場所をまた明日も歩いていく。