君がいちばん、誰がいちばん?
惰性で好きになるのは推しに失礼なのかもしれない。最近、そんなことを考えている。対象からすれば、代金を支払い応援する人間は余程でない限り等しく同じファンであろう。それでも、考えてしまう。
そもそも、惰性なのか。
約1年ずっとずっと迷い続けた答え。たどり着いた先に"推す"選択肢があった。そのはずだ。だが、まだ迷っているんじゃないか。たまにそう思う。こんなにあっさり、今までのことを帳消しにした顔をしていいのか。何もなかったみたいにこの人の名前を口にして、文字にしていいのか。本当に、もういいのだろうか。迷っている。「あぁ、素敵だ」と思っても、胸が苦しい。とても痛い。頭では割り切ったつもりでいた。ただ、心が反応する。「本当にいいの?」と問いかけるみたいにつらい時がある。申し訳なくなる。
惰性のにばん 君がいちばん
嫌いな言葉をわたし歌いたい
気持ちをおさえてできるだけ
たのしくするから嫌わないで
大森靖子/ハンドメイドホームの歌詞一部
なんとなく、この気持ちがわかってしまう。
"〇〇くんのオタク向いてないですよ"
ずっとわたしはこの言葉を忘れない。嫌いな言葉だからずっとずっと言い続ける。言われた瞬間、元推しのオタクをやめた。何も知らない他人、最低だなって思った。だから、やめた。やめたし、もう関係ない。今推してる人たちのことは惰性なんかじゃない。ただ、モヤモヤしているってことは、何かまだ振り切れてない気がした。昨日見た番組の服装が、すごく好みで良かったなとか。髪の毛がもふりとしていてワンワンに似ているなとか。そう思ったのに、自分のどこかに哀しみがあってもう嫌になった。
こんなことばかり書くといつも見てない癖に突然悪意が飛んでくる。私の気持ちは私にしかわからないし、私にだってわからない。わかっていたらこんなことは書かない。あなたは正しい。私も正しい。法律以外の正しさは分かり合えない。だから、自分の正義を振りかざしてもそれは悪意になる。こんな時間に、こんなことを、ここまで書いて答えは見つからなかった。気持ちの折り合いもつきそうにない。なんで苦しくなるのか、それがわかれば簡単なのに。今好きなはずなのに、好きになれたのに。惰性じゃない。そんなんじゃない。そもそもオタクに向いてない。そもそもこんなこと書くのやめたらいいのに。ねえ、最低なのは、私だ。